蚊帳を吊るす、ヴェネツィアの夏。
8月に入って、急に温度が上昇。
ヴェネツィアでは、毎日耐えがたい暑さの中で日々を過ごしています…。
(でも、東京の方がもっと大変なんだと肝に銘じつつ…。でもね、こっちのおうちはまだまだエアコンがないのが普通みたいだよ!)
夏といえば、思い浮かぶもの、たくさんありますよね。
その中から今日は、「蚊」をセレクト。
そうです。
ヴェネツィアには蚊がいっぱいいるんです。街行く人の足や腕には刺された跡がたくさん。
今は8月ですが、4月当初からすでに蚊はいて私も寝る前に最低5匹は退治しないと落ち着いて寝れませんでした…。
イタリアの蚊は人懐っこいせいか、顔によってくるんですよ、ははは。
…これが嫌で嫌で仕方ない。
耳元でする羽音!うー…寝てられません。
さて、今日も近現代人のヴェネツィア紀行から当時の様子を見て行きましょう。
取り上げる本はこちら…
道家斉一郎著
『欧米女見物』(白鳳社/昭和5年)
タイトル通り、欧米の夜のお店を巡る内容です。もちろん、ヴェネツィアも。
でも、今日は本文から「蚊」に関する内容を抜粋します。
「女」はいずれ。こちらもヴェネツィアにはふかーい関係がある存在ですから。
ま、吸い上げる物は違うだけです。
道家氏は一通り観光と現地の夜のお店事情を把握して、ホテルへと戻ってきました。
彼は部屋に入って「蚊帳をかけると寝てしまった」。なるほど、夏の街歩きは疲れますよね。特にこの時期は…。
ところで各地を巡ってきた彼ですが、
「欧米を旅行して夏であるが蚊帳を吊つたのはベニスばかりだ」
とのこと。
そんなにヴェネツィアの蚊事情って大変なんでしょうか。
彼曰く
「蚊の多い点では東京とよく似ている。文明の都市には蚊はゐないものだ。
東京はいつになつたら蚊がゐなくなるんだらう?
東京の市民は蚊がよほどすきだと見えて誰も文句をいはぬ。
夏は蚊が出るものだと、あきらめてゐるらしい。」
最近の東京は蚊が少なくなったと言いますが。
しかし、「文明の都市」には蚊っていないのでしょうか?
蚊って…どう発生するのかと調べてみたら、要するに「水」が必要なんですね(そりゃ当り前だが)。
動かない水、蚊によるけど、不衛生な水。
…たくさんあります。
ヴェネツィア。(今でも)
はっはーん。
皆さん、蚊事情も街並みも半世紀以上変わっていないヴェネツィアにぜひお越しください★虫よけスプレー持って。
いやはや
道家氏「誠にすなほな、寒心な誤性質である」
(これはヴェネツィアーノじゃなくて、当時の東京人に対して言ってます。
仕方ない、じゃなくてどーにかしなさいってことね…)