La Festa della Sensa-海との結婚
Ciao!
RITTAです。
今日は、"La Festa della Sensa(ラ・フェスタ・デッラ・センサ(センサのお祭り)"についてレポートします。…もう3カ月くらい前の話になりますが笑
センサのお祭りというと、私たちには全然なじみがありませんね。私も「なんのことだろう?」と思ってました。
でも、
『海との結婚』
と、聞くとどうでしょうか?
聞いた事があるっていう方もいるのではないでしょうか。
これは去年の動画ですが、まずはご覧ください!
1."La Festa della Sensa(ラ・フェスタ・デッラ・センサ:センサのお祭り/海との結婚)"とは
私のレポートの前に、少し「センサのお祭り/海との結婚」についてその由来を記して見ましょう。
さて、まずはこの聞きなれない"Sensa"という言葉について。
これは、ヴェネツィア方言でして、イタリア語では"ascensione(アシェンショーネ:昇天)"という意味です。この「昇天」は、キリストのことを指しています。つまり、そのままこのお祭りのことを解釈すると、キリスト教のお祭りになります。
でも、ただのキリスト教のお祭りではありません。
それがこのお祭りの中で行われる「海との結婚」という儀式です。
このお祭りは、998年にダルマチア沿岸部をヴェネツィア共和国が征服した事を記念して始まりました。この時のドージェはピエトロ・オルセオロ2世。自身を「ダルマチア公」と称しました。ちなみにこれ以降、ヴェネツィア共和国は植民地支配に力を入れていきます。
お祭りの話に戻しましょう。当初のお祭り―海との結婚の儀式は、荘厳な船団がリド近海に向かい、そこで「「海を渡る誰ものために、海が穏やかでありますように」という祈りが捧げられ、総督たちに聖水がふりかけられたあと聖歌隊がAsperges me hyssopo, et mundaborという歌を歌う中、残りの聖水が海へと撒かれた」というものだったそうです。そこにキリスト教的な意味合いが加わったのは、1117年にヴェネツィアが神聖
ローマ帝国のフリードリヒ1世と争ったことへの感謝の印として教皇アレクサンデル3世が自分のしていた指輪をドージェに与え、毎年指輪を海に投げ込むように言ったのが始まりです。当時、神聖ローマ帝国と教皇庁はケンカしてたのをヴェネツィア共和国は教皇庁の味方をしたのですね(どっちの味方をするか…というのは難しい決断だったようです)。
当初は、この指輪を投げ入れる行為は戦いへの慰めのような意味だったのが、徐々に結婚という形に変化していきました。
それ以降毎年ヴェネツィアでは献納された指輪をドージェが
「Desponsamus te,mare(われわれは汝、海と結婚する)」
というラテン語のフレーズと共に海に投げ込み、海とヴェネツィアが一心同体の関係であることを宣言しているのです。さすがに今はドージェはいないので、代わりにヴェネツィア市長がその役割を担っているらしいですよ。
2.お召し船を待って
さてさて、では今度は今年のセンサのお祭りまで時を戻しましょう(?)
まず、私はこのお祭りをどこで見るのかちょっと悩んでいました。お召し船はサン・マルコから出るらしい。それはリドに向かうらしい。
色んなリサーチ不足(サンセのお祭りは、日本ではあまり有名ではないようで「海との結婚」というキーワードでも中々情報を私はうまく収集できませんでした)で、この時点で今よりの更に拙い自分の語学力でなんとか手に入れたセンサのパンフとポスターとにらめっこして…
お召し舟はリドのサン・ニコロ教会を目指してくるらしい。
サン・ニコロ教会では、当日ミサがあるらしい。
その前後にレガッタ(ゴンドラレース)が開催されるらしい。
…ということを理解しました。
サンン・マルコから見送るか、リドから到着を待つか。
どうしたもんじゃろうのうーともんもんしながら、当日朝を迎えました。
センサのお祭りは意外とピークが午前、13時過ぎには終わってしまうというスケジュールでしたから、案外朝早くから行動しなければいけないのでした(何にも知らない奴でし、見れるものは全部見てやる!というのが私の根性でしたから)。
家を出ると傍のリオ(運河)では、レガッタの準備をしているヴェネツィアーノ。
わくわくが高まる。今日はお祭りの日なんだ!
でも、まだどこで見るか決めかねていてとりあえず、サン・マルコ広場に向かうことにしました。サン・マルコ広場までは歩く歩く。その方が早いからね。
所々の隙間から見えるカナル・グランデに浮かぶレガッタのゴンドラと競技用の服装をしたヴェネツィアーノたち。歩く足も速くなります。
朝早くのサン・マルコはまだ人も少ない。…でも、いつも通りの風景です。
そこで決めました。今回はリドから待ちうけようと。
そうと決まれば、善は急げです。もしかしたら、すごく混雑してるかもしれないし、できることならいい場所でみたいじゃないですか!
ヴァポレットに乗ってリドに向かいます。途中、カナル・グランデに浮かぶ大きなモノ(船だったのかな?)が見える。
リドに到着後、サン・ニコロ教会へ。焦り過ぎてうっかり30分?くらい歩いちゃいましたが、バスに乗れば恐らく10分くらいの距離です。
"Santa Maria Elisabetta"がメインの船着き場です。
気がつけば、同じ方向を目指す人が。サン・ニコロ教会に着くとそこには…
立派なカメラを持ったおじさんたちの姿!
私は心の中で思いました
(こっちが正解!!!!!)
周りを見てみるとなんだかお祭りの予感を感じさせるものたちが。
合唱の真っ最中。
わくわくしながら、私も運河に向かい、岸に座りその時を待ちました。
その前にレガッタが開催され、私の目の前を青年の部と女子の部のゴンドラたちが通り過ぎて行きました。ゴールがこのサン・ニコロ教会前だったんですね。だから、最後の最高にヒートアップしたところを見ることが出来ました。
いやー盛り上がってた笑
そんなこんなで待っていると遠くから船団がやってきました。
金管の音と共に、ゆっくりゆっくりお召し船がやってきました。
思ったより…小さい。周りを囲む船はゴンドラです(民族服は着ていない)。
そして、こちらに来るかと思いきや、サン・エレナの方へ向かっていく。
しばらくして、再度こちらへ向かってきました。何をしてたんだろう…と思案していたのですが、このタイミングで実は「海との結婚」の儀式を行っていたのでした!
指輪…投げたんだよね?って感じでした笑
肝心なところ見れなかった!!!でも、完全に海の上だったしな。。
どうやったら見えるのだろうか…うーむ。
船は、サン・ニコロ教会へ到着。市長とサン・マルコの大司教さまが教会へ向かい、ミサが始まりました。相変わらず、未熟な語学力で分かることは少なかったけど、荘厳な素敵なミサでした。
実際にセンサのお祭り-海との結婚を見て思ったのが、このお祭りはヴェネツィアーノたちのお祭りなんだということでした。立派なカメラを持ったおじさんたちは、確かにこれをねらって他から来た人でしょうが、それ以外に旅行客の姿を見ることは少なかったです。少なくとも、レデントーレやカーニヴァルにような賑やかさはありませんでした。
きっとこの日にお祭りがあったことに気が付いている人の方が少ないかも。
(お船も思ったより小さかったしね笑。でも、今アルセナーレででっかい船作っている最中らしいよ)
でも、この感じが今のヴェネツィアに似合っているように思う私なのでした。
今度はサン・エレナから見よう…。